さかのぼること七年前。お母さん猫と離れ離れになってしまった生後二日目の二匹の兄妹猫との出会いが、その後の私の人生を猫色に染めるきっかけの出来事となります。
「どんぐり」「くつした」と名付けたふたりはすくすく育ち、私のかけがえのない宝物になりました。
私自身が大病をした時も、最愛の母を病で亡くした時も、いつだってそばで支えてくれたのはどんぐりとくつしたでした。
しかし、母の一周忌を過ぎたある日、どんぐりが心筋症で旅立ちます。その翌々年には慢性腎不全を患っていたくつしたも旅立ちます。
くつしたが旅立ったその日から、私は真っ暗闇に飲み込まれてしまいました。
そんな深い悲しみから抜け出せない中、インターネットで「猫の森」を知ります。
そして心に大きな穴を空けたまま、東京「猫の森」へ。
今考えると、どんぐりとくつしたが導いてくれたのかもしれません。
そこで出会った師、南里秀子さんの「ご機嫌元氣」な猫とのつきあい方に強く感銘を受け、その二週間後には更に學ぶために、和歌山県那智勝浦にある猫楠舎へと向かう自分がいました。
そうして、「猫の森」で學んでいくうちに真っ暗だった心に変化が訪れます。
大好きだった母、どんぐり、くつしたの「死」をみつめることで、今生きている自分自身、新しく迎えた猫家族はな、つくしの「命」がキラキラ輝きだすことに気づいたのです。
私がキャットシッターになることを決めたのは、旅立ったどんぐりとくつしたがいつもそうしてくれていたように、今度は私が、そっと猫さんに寄り添えるような存在になりたいと強く思ったからです。
私はこれまで十三年間、美容師をしておりました。
美容の仕事では、お客様おひとりおひとりに、真剣に、誠実にお応えすることを心がけておりました。
これからはじめるキャットシッターという仕事でも、軸にあるその気持ちは全く変わりません。
猫と暮らすご家族さまが安心してお出かけできますよう、お留守番する猫さんがその子らしく安心して過ごせますよう、まごころこめてお手伝いいたします。
すべての出会いに感謝し、ご縁を大切にし、ここ福岡で人と猫が笑顔で暮らせるお手伝いをしたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
2016年7月吉日 キャットシッターはるねこ 坂口春美